ゲルゴウィアの古戦場

フランス中部の街クレルモン＝フェランの南にあるジェルゴヴィ（Oppidum de Gergovie）は，紀元前52年にカエサル率いるローマ軍と現在のフランス各地の諸部族からなるガリア連合とが衝突したゲルゴウィア（ジェルゴヴィ）の戦いの舞台。ジェルゴヴィの台地から眺望する地形は，ガリア連合軍を統率したウェルキンゲトリックス（Vercingétorix: BC72年 - BC46年）がみた地形とさほど変わっていないと思われる。

カエサルの筆による「ガリア戦記」（講談社学術文庫）の記述からも，ある程度は当時の状況を知ることができる。Google Mapの3D表示を使っても，ウェルキンゲトリックスがジェルコヴィの台地を拠点にした理由を伺うことができる。それでもやはり現地に立って，当時から大きく変わってないだろう地形を見ると，紀元前52年の戦いの様子がまぶたに浮かぶ。

ガリア戦記を読んでいる時には，現地に行くことなど想像もしていなかった。フランスに駐在する機会を得たことで，ガリア戦記の主要な舞台に訪問する幸運を得た。

　それでも，いろいろな本に触れる機会がなければ，この場所に立つことはなかったことは明らか。そして同じ場所に立ったとしても，ローマ史に興味を持つ機会がなかったなら，その場所に立つことの意味も大きく違っていたはず。そう言う意味でも感慨深い。