教員養成課程の教室:デンマーク
- 百合田真樹人
- 2020年7月4日
- 読了時間: 2分
メトロポル(Metropol)はデンマークの専門職大学。日本での大学のイメージとは厳密には少し違って,教員養成をはじめとした専門職学位を提供する高等教育機関。正式名称は「Metropolitan University College」。
医療技術系と教育社会科学系の2学部で,教員養成は教育社会科学部の3プログラムのうちのひとつ。デンマーク語では「Meritlæreruddannelsen」と表記する。学士プログラムの修了にはデンマーク語で提供される科目履修を要するが,教員養成課程の個別プログラムは英語での履修も可能。北欧モデルの教育実践者養成コースは興味深い。学びなおしや社会人履修者も多い欧州の教育機会の例に漏れず,学位取得に向けて提供されるモジュールを組み合わせて履修できる。
教員養成課程のある首都中心部のキャンパスは街路の1区画を占有した中庭のある煉瓦造りの建物のみ。
古い建物のためか講義は"伝統的"な教室で行われていて密度が高いが,可動式の座席。デンマークの学校現場と同じように,プロジェクタを用いた電子白板が使われている。1枚目の写真にあるように,電子版で配布された課題資料を読んだ上で講義に出席し,教員が投げかけた問いや課題に各自またはペアで検討して意見を示し,教室全体で議論をするスタイル。対話型を重視する日本の大学でも見られるスタイルだけど,写真2枚目にある蜜な教室でも,ICTを介して教室内の他の学生や教員と資料や情報を共有している。教室の狭さをICT活用でカバーしている。
狭いキャンパスだけど学生が自習するスペースはやはり確保されている。各テーブルに壁面または天井から電源が用意されている。講義教室でも全ての学生がPCを介して資料を読み,課題に応答し,協働しており,積極的なICT機器を活用した学びの仕組みが導入されていた。
なお,この養成機関は日本の都留文科大学と交流協定を結んでいる。都留文科大学の国際教育学科で学ぶ学生は,2年次後期に全員が北欧留学して教育学等の授業を履修するらしい。ただ,この点の話はあまり聞かなかったけど,都留文科大学の紹介動画があった。
2018年1月に訪問
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